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☆ 線量計の製作 ☆



GM管が不足する中秋月電子より浜松フォトにクス製S6775なるSIフォトダイオードが取り扱い開始されました。
フォトダイオードによる線量計(GM管を使用していないため線量計と記載します)はアンプ部のノイズ対策が難しいらしく、あまり製作例がありませんでしたが作成してみます。


まず一番最初にフォトダイオードで放射線が本当に検出できるのか不安だった為、いろいろ試してみるることにしました。
製作したテスト用基盤は3枚。
浜松フォトニクスで紹介されている回路の一部変形版とMAXIMのテスト基盤2枚で行いました。

線量計フォトダイオードアンプ
 
浜松フォトニクスの参考回路を作成しテストを行いました
OPアンプにLMC662を使用しフォトダイオードにS6775とS2506の2つ、電源電圧9Vでサンプル放射線マントルで行いました。
感度の関係が有るのでフォトダイオードだけは15Vに安定化した電源を供給しています。
波形で大きく振れていてあたかも放射線の波形の様ですがノイズ波形です。
シールドのない基盤では、まったく波形を観測できませんでした。

回路図リンクはこちら

線量計フォトダイオードアンプ線量計オシロ画面
MAXIMの回路を参考に作成しテストいたしました。
ユニバーサル基盤に電源ライン、アースラインに気を使い作成したつもりでしたが、やはり明確な信号が観測できませんでした。
シールドを行えばもいう少しノイズをおさえられるかな?
線量計フォトダイオードアンプ線量計オシロ画面
MAXIMの回路でベタアースを施したプリント基板をさくせいしテストいたしました。
やっと矢印の部分に放射線の信号を思われる波形を観測する事ができました。
やはりSIフォトダイオードを使用して放射線を検出するのは、ノイズとの戦いのようです。

MAXIMの回路図リンクはこちら
線量計フォトダイオードアンプ3線量計オシロ画面3
アンプにLMC662、フォトダイオードにS6775*4、PIC16F819をプロセッサーとし作成した回路が右の写真となります。
フォトダイドーの面積が感度と密接にかかわるため、S6775は、5.5mm*4.8mmの面積*4となり105mm平方となり1センチメートル各程度の受光面積となります。
ただしフォトダイオードの設置数を増やすとノイズも倍倍で増えますので更なるノイズ対策が必要となります。
どうも単体のフォトダイオードを比較すると面積が広くなると検出される信号の周波数成分が低くなる(なまる)らしくアンプ回路は、使用するフォトダイオードの特性に合った増幅回路に調整する必要があるようです。

線量計回路基板
基盤の裏側です。
矢印の部分いったいに帯状の銅膜でシールドを設置しています。センサーからアナログ回路いったいを囲みシールド。
最初、基盤の厚み分(2mm程度)をシールド漏れしたところ、周りの機器から発生したノイズを拾い動作が安定しませんでした。
基盤の前面2mmをシールドするとうそのように安定いたしました。
基盤の厚みをシールドし忘れただけで、性能が激しく左右されたのは、初めての経験でした。(かなり貴重な体験)

線量計回路基板 裏
基盤側
部品側もセンサーアナログ回路をすべてシールド処理しております。
このシールド材はホームセンターで販売されている0.1mmの銅板で銅ロール巻としてうられていました。
0.1mmだとハサミで簡単に切ることができるため、複雑な形状を作成する場合、ひも状に切った銅箔を合わせて半田で接合すれば、写真のようなシールドを簡単につくれます。
又、回路からのノイズの回り込みはこの基盤からは、ほとんどありません。

線量計回路基板 シールド
セットの中
基盤裏、基盤表、液晶ディスプレイ、S6775フォトダイオード用昇圧回路を銅板によりシールド。
基盤は、信号以外はベタアース。
線量計回路基板 内部
シールドをはずした状態。
センサーが2つしかありませんが、いろいろテストした結果この回路の状態では、センサー4つだとノイズが多くなりすぎて、波形が埋もれて感度を上げることができなくなります。
この作りでは、感度とノイズの関係上2つがベストな状態でした。
次回は、最初から完全なシールドとOPアンプの見直しで感度をさらに上げられると思います。

線量計回路基板 内部2
完成図外観
CPM表示とuS表示が行われます。
測定モードは基本移動積分方式で60秒を基準に算出される単純なモードと移動積分方式で60秒基準に過去時のデーターを積分し秒単位で更新される気長なモードがあります。
気長なモードだと5分程度でかなり安定した値を示します。
又PCを接続するための通信端子も装備されており常時、移動積分60秒のデータを1秒毎に送出されます。
PCでそのデーターを蓄積し分析又は自動でインターネット上に更新することが可能でしょう。

線量計外観図
RS232CでPCと接続するアダプター。
添付回路図をみていただければわかると思いますが、RS232Cインターフェースを使用する場合正負へ振れる信号が必要となりますが通常簡単にインターフェースを作ろうとすると電源回路内臓のRS232Cインターフェースチップを使用するがバッテリー駆動の場合非常にバッテリーに負荷を掛けてしまう。
今回のように006Pを使用している場合では、あっと言う間にLoBatです。
このような場合私は、PC側のRS232CのERとCS信号を使用して、ERはHI側へクランプ、CSがはLO側へクランプすることで、微弱ながら正、負のRS232C規格に大体準拠した電圧が得られます。(結構怪しい)
こんな回路でも19200程度であれば問題なく通信可能である。
又、接続するPC側のソフトで強制的にERをON、RSをOFFとすることをわすれずに!
線量計RS232C アダプター


現状正規販売品のガイガーカウンター数機種と計測値を比較いたしましたが、大体数値的にいい値(市販品でも30%ぐらいの誤差はあたりまえ)を示してくれます。
SOEKS01Mと比較するとβ線をカットすると大体同様の値となります。
(SOEKS01Mは多少高めに表示されるとの事ですから、作成品も多少高いのでしょうか?
売られている怪しい機種に比べればよほど信頼できる機器ができたと思います。
フォトダイオードを使用した線量計の設計に関して注意点(これが技術なのでしょうか)がわかりましたので次回製作する機会があればかなり性能を上げられそうです。
又、計測時間を掛けたくない人には、別紙に紹介のガイガーカウンターが人気です。

ガイガーカウンターの製作へリンク
エリアモニタの製作へリンク


参考回路図(線量計)
線量計回路図 
 参考回路図(簡易インターフェース回路)
線量計回路図 インターフェース

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