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☆ ガイガーカウンターの製作 ☆



GM管、高圧回路、線量計を作成して来ましたが、いまだガイガーカウンターを作成していませんでした。
そろそろ作成してみようと言う事で、企画して見ました。
どうせなら他であまり見かけないものにしようと、形と機能をちょっと工夫、下記仕様といたしました。

1.GPS機能により線量マッピングが可能なこと。
2.もちろんメモリー搭載。
3.手軽にサーベイができるように、なるべく正確なデータを短時間で計測できるように。
4.PC連携が可能なインターフェース(USB接続可)
5.3WAY電源可(100V、電池、車載12V)
6.かっこいい?
7.使いやすい。
8.なるべく多機能。
9.多少でかくても良い。



外観の写真です。
感度を上げるため、写真ではGM管を3本搭載しておりますが、プログラム、回路は5本まで対応可能となっておりますのでGM管部分の(白い枠)を交換することで5本対応にすることが可能です。(処理速度、内部構成的には、10本程度までは可能であると思います。)

ガイガーカウンター外観
使用GM管は、STS−5ですが、SBM−20を混在しても同様に使用可能でした。(BG値等は同様、STS−5は、多少電流が少ないらしく検出電圧値が低いですが、検出率が変わらないので問題ありません。)

ガイガーカウンター外観2
GM管の設置は、検出部分を完全に空間にしてあります。(障害物がありません)
プリント基板の材料である、ベーク板、ガラスエポキシでさえ、β線をブロックしてしまいます。
片側が完全に開いていればよいと思いますが、取り合えずあとから、カバーできる構造の方が後々楽と考え、このような構造といたしました。
又、GM管を横に配置することで指向性が増したのも事実です。(サーベイ用としては都合が良い)

ガイガーカウンターGM間回り
内部はざっくりこんな感じです。
バッテリー駆動用に単3電池6本を使用いたします。
9V駆動が原則ですが、6.2Vもあれば正常に動作いたしますので、2次電池や、ACアダプター、12Vバッテリー等対応可能です。
電池の上にSW電源、左側に高圧回路、切れてますが上にメイン基板があります。(写真はダイソーのニッケル水素電池です。5H程度は動作いたします。)

ガイガーカウンター内部
裏側はこんな感じ。
白いプラスチックの部分が電池蓋です。
ガイガーカウンター外観下
右側面にUSBポートを設置いたしました。
機能的には、外部でサーベイしたデータをPCへアップする事と、リアル処理を行う事が可能です。
リアル処理は、PCへ1秒毎の検出データーを送りPC上で線量を管理分析するモードです。
このモードを使用すると、WEB上でのデータ公開やエクセル等でのデータ分析が可能です。

リアル処理の基本データはCSV形式で送られ、連携PCソフトは、1時間毎に3600項のデータとして日付、時刻名ファイルとして、作成されます。
そのデータをバッチ処理すれば、いろいろな応用が可能です。
ガイガーカウンター外観4
先頭のメニュー画面です。
カウント、設定、USB接続を下の1,2、3のボタンより選択するようになってます。
ガイガーカウンター設定画面1
カウントの画面です。
経過時間、平均値対移動平均値の%表示、GPSステータス、CPM値、テーブル加算ステータス、電圧の順で表示されています。

ガイガーカウンター設定画面2
カウント中の2のボタンでGPS状態を表示いたします。

ガイガーカウンターメニュー
設定項目は、現状12項目有ります。
1.Moving-average S (移動平均秒設定)
2.Save interval (データ保存間隔)
3.Memory Value (メモリー容量設定)
4.Number GM Tube (GM管の数)
5.GPS Option Use (GPSを使用するか)
6.Sound Use (検出音、エラー音を使うか)
7.A Delete & Point (異常数値リセット、記録)
8.Move + Threshold(+側異常値レベル)
9.Move - Threshold(−側異常値レベル)
10.TBL Length(移動平均秒保存テーブル長)
11.Error Souns opt(異常レベル警告、GPSエラー)
12.Back Light opt(バックライト使用)

検出データは移動平均法時間とテーブル長で調整、最適化すると、検出時間と精度を調整可能です。
又、GM管数を増やすと精度の向上と、検出時間の短縮に非常に貢献いたします。

ガイガーカウンター設定画面1ガイガーカウンター設定画面2
ガイガーカウンター設定画面3ガイガーカウンター設定画面4
ガイガーカウンター設定画面5ガイガーカウンター設定画面6
ガイガーカウンター設定画面7ガイガーカウンター設定画面8ガイガーカウンター設定画面9ガイガーカウンター設定画面10設定画面ガイガーカウンター設定画面11
USB接続時のPCソフトです。
メモリー保存データをUPする場合に含まれるデータは、日時、時刻、緯度、経度、GPSステータス、60進緯度経度、10進緯度経度です。
Save intervalを10秒に設定すれば約8時間の記録が可能です。
ガイガーカウンターメニュー5
USB接続時のPCソフトです。
リアルデータ処理時に含まれるデータは、GM管毎のCPS値のみです。
PCでそのデータを集計して活用、分析するモードです。
基本、ガイガーカウンターをAC運用しPCを起動していれば、24H1秒ごとのデータを永遠に収集することが可能です。
ガイガーカウンターアクセスプログラム
内部写真です。
テストで作成したばかりですので、内部はごちゃごちゃです。
ガイガーカウンター内部写真
右のグラフがGM管の本数を変えて平均値に収束する状態を示したグラフです。(実測)
現状GM管は3本構成の為、最高3本で集計した結果それぞれ1本毎の収束には多少時間がかかっているが1本より2本、2本より3本と収束時間が短くなっていく様子が伺える。
GM管が3本構成であれば40秒程度で誤差10%以内に収まる傾向がある。
GM管1本だと10%以内キープは360秒程度からとなっている。
GM管2本構成も80秒程度から良い収束率を示すようである。

資料としては、残してませんが、特性の合っていないGM管をペアリング(30%位)すると、やはり管数を増やしても思うように収束できない事実がありました。(当然だな)

それぞれの管の1000秒のデータを収集して検出率の整った管を3本セットし検証いたしました。(右写真のようになりました)
GM管1-18.42CPM(SBM−20)
GM管2-18.42CPM(CTC−5)
GM管3-18.84CPM(SBM−20)
上記のようにGM管は完全に2種類混在ですが同時に同条件にて測定した結果ですので、SBM−20とCTC−5は性能上互換有りと言っても良いと思われます。(管毎のコンディションによるばらつきは避けられません。)
但しCTC−5はSBM−20よりも古い管のため、性能のばらつきが多少ひどいようです。

私の持っている1973年製のCTC−5が検出率30%程度劣っているようで1976年製のCTC−5は、問題ないようでした。

右のグラフをクリックすると大きな画像で見れます。
ガイガーカウンターグラフガイガーカウンターGM管
コンセプトはそのままでGM管数を5本まで増設できるガイガーカウンターが購入可能です。

製品版はこちらからどうぞ。
ガイガーカウンター


初めてガイガーカウンターを作成いたしましたが、大きい以外は良くできたと思っています。
カウンターについても、それぞれの管カウントで6000カウント/S程度で有れば、データを落とさず正確にカウント可能です。(ココまでのスペックはほんとは必要ない。)
SMB−20のリカバリータイムは190μSほどある為、5300位がMAXそのほかの負要因があるため、5000も必要ない。
今回はGM管3本の為15000カウント/S、カウンター3つが独立で動作している為、余裕である。
但し、そのような恐ろしい放射線の場所でほんとに半導体が正常に動作するかは、不明である。
GPSは、手持ちのハンディーナビよりも性能が良いのには驚いた。でも電気の大食いである。

GM管をむき出しにするのは、気が引けたが製品のようにプラスチックや、金属でガイドしていると、実際なにをどのように計測しているのかよくわからなくなってしまうことは,避けられるような気がする。
GM管を基板に取り付けた場合β線の基板側からの感度はかなり削られるそれがいやでした。

GM管を3本にした事のメリットとして、計測時間の短縮と、正確さ(安定性)に貢献していると思われます。
私はSOEKS 01M CLバージョンを所有していますが、テスト用放射線で確認したところ安定性が段違いでした。SOEKSもCLバージョンでは、平均を採用しており以前のバージョンよりはふらつきがおさえられておりますが、それでもおかしなふらつきが時々あります。(いきなり高い値を示したり下がったり。)

今回作成したガイガーカウンターは、数値に変な補正をしていないにもかかわらず、せわしない数値の上下があまりありません。

又、設定にもよりますが20〜30秒程度でかなり信用できる値をはじき出してくれます。
明らかに、時間当たりのサンプル数の多さは、確度を増してくれています。
現状でも十分に線量マップ作成用用途として使用できますが最終、車で移動するだけで十分正確な値をはじき出したい為、GM管10本までテストしようと考えています。
その際現状のハードで対応可能だと思われます。


※近々にCPMからシーベルトへ正確に変換する曲線を擬似作成するつもりです。(現状簡易的にCPM*0.0022を掛けて計算しております(GM管3本時)。低線量で高めに出てしまうのは仕方ないことでしょう。)

以上

エリアモニタ(ガイガーカウンタサーバ)の製作へリンク



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