☆ MASTECH MS8209調整方法 ☆



以前、音圧測定のために秋月で買ったMS8209でしたが使用しないまましまい込んでいたものを4年ぶりに引っ張り出したらどうも測定値が怪しげなことに気づき、較正してみることにしました。
いろいろ探したのですが、較正をきっちり記載しているサイトがないのでいろいろ調べて見ました。
記載数値はMASTECHの調整用数値です。

ほぼ全ての項目に対し基準となる項目(較正された機材や環境)が必要です。


 
調整用半固定抵抗は13個有ります。
調整には、湿度、温度、音圧、照度、などそれなりの測定環境が無いと調整できないものが有りますが、手元にあるもので、工夫して調整してみてください。
MS8209
MS8209デジタルマルチメータの較正方法


取外し:最初に、裏蓋にある2本のフィリップスヘッドネジを外し、慎重に裏蓋を持ち上げ取り外します。
注意:半固定抵抗は慎重に調整願います。

1.直流電圧調整
(1)ロータリースイッチをVオートレンジにセットします。

(2)テストケーブルはCOMとVΩHzに接続し既知の直流電圧が正しく読み取れるようにVR1(10kΩ)を調整します。

(3)RANGEボタンで他のレンジでも同様に誤差が無い事を確認いたします。




2.交流電圧調整
(1)ロータリースイッチで、Vのレンジにセットし、FUNCでAC AUTOを選択します。

(2)テストケーブルはCOMとVΩHzに接続し既知の交流電圧が正しく読み取れるようにVR2(5kΩ)を調整します。

(3)RANGEボタンで他のレンジでも同様に誤差が無い事を確認いたします。




3.DC電流の調整
(1)400mA位置にロータリースイッチをセットします。
(2)テストケーブルはCOMとmA℃に接続し既知の直流電流が正しく読み取れるようにVR3(5KΩ)を調整します。
※テスト電流は10mA程度を推奨いたします。




4.容量調整
(1)ロータリ・スイッチをΩ位置にセットします。

(2)FUNCボタンでコンデンサ測定モードにセットします。

(3)100nFの近くの既知の標準容量にテストリードを接続し、正しく読み取ることができるようにVR4(2.2kΩ)を調整します。




5.温度調整
(1)mA℃ジャックに温度プローブ赤を、もう一方を黒に接続します。

(2)0.1℃位置にロータリースイッチを設定します。

(3)通常の室内温度(20℃)を調整するために、0.798mVのDC電圧を加え可変抵抗VR5( 5kΩ)を調整し20℃を表示させます。

(4)1℃の位置にロータリースイッチを設定します。

(5)高温(400℃)を調整するために、16.40mVのDC電圧を加え可変抵抗VR6( 10kΩ )を調整し0400℃を表示させます。

(6)精度を高める為、3〜5を数度確認、調整を行います。


電圧対温度の関係を列記いたします。
入力電圧(mV)  温度(℃)
-0.777        -20
0            0
0.798         20
4.095         100
8.137         200
12.207        300 
16.40         400
20.64         500
29.128        700

付属熱電対はクロメル−アルメルのようで、上記対比表はほぼ数値が一致しております。




6.湿度調整
(1)%RH位置にロータリースイッチを設定します。

(2)低湿度を調整する為に、50%に設定した試験箱にメーターを置き、LCDディスプレイ上に050.0を読み取れるように可変抵抗VR11( 10kΩ)を調整。

(3)高湿度を調整する為に、90%に設定した試験箱にメーターを置き、LCDディスプレイ上に090.0を読み取れるように可変抵抗VR10( 5kΩ)を調整。

(4)精度を高める為2〜3を数度確認、調整を行います。




7.騒音レベル(デシベル)の調整
(1)dBの位置までロータリースイッチを設定します。

(2)低騒音レベル(db)を調整するには、 60デシベルに設定された試験ボックス内にメーターを配置LCD表示に060.0を表示するように可変抵抗VR13( 2kΩ )を調整。

(3)高騒音レベル(db)を調整するには、 90デシベルに設定された試験ボックス内にメーターを配置LCD表示に090.0を表示するように可変抵抗VR12( 500Ω)を調整。

(4)精度を高める為2〜3を数度確認、調整を行います。




8.照度(ルクス)の調整
(1)ルクス位置にロータリースイッチを設定します。

(2)1000Luxに設定された試験ボックス内にメーターを置き、可変抵抗器を調整VR8( 2kΩ)を調整し1000を表示させます。

(3)×10Luxレンジ位置にロータリースイッチを設定し、可変抵抗器を調整VR9(500Ω)を調整し0100を表示させます。

MS8209内部


温度調整用のVR5はわずか動かしただけで結構数値が動く為、現状のVRよりも多回転型の精密VRを使用するか、基本抵抗とVRを並列にして、調整範囲を狭め方がよさそうです。

調整を行う場合、自己責任で行ってください。
調整基準環境が無い項目に関しては、触らない方が無難です。



※このページの情報を元にして生じた損害について当方は一切関知しませんので自己責任でお願いします。 

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