☆ CNC加工機を導入してみました。 ☆



市販のプラスチックケースを使用して、まとまった数の加工を行うことが多くなってきた為、CNC加工機で加工することにいたしました。
メーカーにお願いすると、ベースの加工用ケース+○アナ一個100円+長方形一個300円だそうで、とてもお願いできる価格ではなかった為の導入となりました。


 
これが私の選択した機種Sable-2015で
台湾製のようです。

作りが頑丈そうで、そこそこ使えそうなイメージが有りました。
それと動作音が、静かとの事だったための選択です。

実機は、とにかく動作音が静かです。
スピンドルモーターが回っていても、少しうなっているくらいの大きさです。
もちろん切削を行えば、それなりの音が出ますが、私のようにABS製のプレスチックケースを加工するのであれば真夜中でも、他人に迷惑をかけるレベルではありません。
(掃除機を回してなければです。)

ベース素材としては、大変満足できる選択でした。
Sable 2015
CNC制御用にPCが1台必要になりますので、セントロニクスプリンターポートのある中古をチョイスいたしました。

EPSONのEndeaver AT971がOS付きで、安く入手できたため、これをCNC制御機として使用いたします。

使用ソフトはMACH3とNCVCを使用しておりますが、MACH3はヘビーなデータを扱っていない為、フリー状態で使用可能です。

Endeaver
右が完成系の私のSable-2015です。
HPにアップする気がなかったので、あまり作成中の写真が有りません。
そのため、いきなりほぼ完成形で登場です。

掃除機なしで切削するとやはり切削屑が多量に出て、後で掃除するのがすごく大変なため、バキュームシステムは必須ですね。

CNC Sabel 2015
切削屑の吸入口として、トラスコ中山のクーラントライナーを使用いたしました。

バキュームホースが細すぎたり、吸い込み口が細すぎると、吸い込み時に笛のようにピーと甲高い音が出たりしますので、太さには注意が必要です。
※直径15mmほどのホースを使用した時、ものすごい大きな音で”ピー”となってしまい大変驚きました。要注意です。
Sable 2015
吸い込み口は、エンドミルから5mm程度離れたところに、先端をななめカットした状態で設置してあります。

掃除機は、パワー制御が可能なようにサイリスタースイッチで制御されており、パワーを半分以下に絞っても十分きれいに吸い取ってくれます。
この構成で、最初に考えていた切削屑飛散防止用のガイドを設置する必要がなくなり、専有面積を節約することができました。

手前のアクリル板を重ねたものは、材料を固定する為のガイドです。
目的が有って、このように作成してあります。
Sable 2015
掃除機と吸引口の間に写真のようなバケツを用意すると大きな切削屑はバケツにたまる為、掃除機にたまる切削屑がかなり減ります。
掃除の際は、バケツの中身を捨てればよく、吸引力はあまり衰えません。

写真の左のクリーナーは、本装置のものではありません。
下に800W級の掃除機が有ります。



ダストバケツ
Sable-2015にはリミットスイッチ又は、ホームスイッチが有りません。
ただしコントローラーには、リミットスイッチかホームスイッチを接続するポートが有ります。
リミットスイッチにするか、ホームスイッチにするかは、設置位置の違いだけで、コントローラー的には、スイッチが入るとストップする仕様のようです。
スイッチは光学式を使用している方がほとんどですが、私はあえて機械式スイッチを使用いたしました。
光学式は、切削屑のような埃や塵に弱い為、誤動作の原因になります。
又、人が見ていなくても安全に工作を進められるようにリミットスイッチを機械式スイッチで構成する仕様といたしました。
右の写真が増設するスイッチとパーツ一式です。
リミットスイッチ
右の写真は、Y方向のリミットスイッチです。

リミットスイッチY
右の写真は、Z方向のリミットスイッチです。

リミットスイッチZ
右の写真は、X方向のリミットスイッチです。
実際には、左端にも同じものが有ります。

リミットスイッチX
右の写真がモーターコントローラー用のサイリスタースイッチです。
PCから制御可能にしてあります。
スピンドルコントローラー
写真の右側のスイッチが、緊急停止スイッチです。
何かあった時、無条件で強制停止することができますので、必須のスイッチです。
左がテンキを改造したコントロールスイッチです。
キーボードやマウスを使用するより、はるか便利に使えます。

コントローラー
加工テーブルの左手前を起点とし、角を作って有ります。
5mmのアクリルを3枚重ねて15mmのガイドにしてあります。
重ねるアクリルの数を変えれば、低床の材料の加工も可能です。

プラスチックケースの加工が一番の目的の為、このような形となりました。

角を起点にしてケースをセットすることで、簡単に精度よくセットすることができます。
もちろん、別の加工をする場合は全て取り外すことができます。

ダクト
加工用ケースを固定する機構として右の写真のように固定ガイドとねじ式の可変ガイドで挟むように作成いたしました。
但し、ドライバー等で絞めたり外したりするのは、結構面倒な為、今回は電動で締め付け、取り外しができるように作成いたしました。
全ては、ケース加工を楽にするための工夫です。
ダクト
右の写真が電動ガイドの写真です。
材料の大きさに合わせて、2対のギヤードモーターを移動して、取り付け使用いたします。
モーターは、マブチの130モーターよりも2回りぐらい小さいのですが、ギヤーのおかげで、ものすごい力が出ます。
回転数は60RPMです。

少し残念なのは、ホームセンターで入手した100mmねじが、結構まがっていて偏心して回ってしまうことです。
(まっすぐなねじがなかなか見当たらないですね。)

一番下にモーターコントローラーの写真が乗せて有ります。

モーターの負荷電流を検出して、VRで合わせた締め付けトルクで、固定するように作成してあります。
そのほかに、スイッチ設定で2つのモーターをリンクして動作させるモードや、トルク検出を無視するモード等、いろいろ用意してあります。

通常モードとして、締め付けボタンで2つのモーターを駆動し設定トルクまで締め付けし、オープンボタンで5秒間解除動作を行います。
5秒の解除動作で5mm程度の隙間ができますので、楽にケースを取り外すことができます。

加工の動画は、他でたくさんありますので、当方はガイドに固定する動作を載せてみますのでご覧ください。
固定電動ガイド固定電動ガイド機構ギヤードモーターコントローラー
 現状のスピンドルの回転速度は、ベルトの架け替えで 10000RPMと4000RPMの2つしか選べません。
いろいろな素材と加工方法を行うには、どうしても回転数の変更幅が必要になる為、右写真のようなスピンドルコントローラーを作成いたしました。

回転数が表示でき、回転数センサーの情報で、スピンドル回転数のフィードバックよる回転数ロックを行うことができます。

小型の直流モーターを、電圧制御、PWM制御等で回転数を制御しようとする場合、負荷変動による回転数の変動を少なくするには、フィードバックが必須機能だと思います。




 上記をもとにした製品版がこちらです。
(スタンドアロンタイプ)
 


MACH3接続タイプの製品版がこちらです。
 


かなり端折って説明いたしましたが、使用感は、かなり満足のいくものに仕上がりました。
大きなケースを加工する場合は、締め付けガイドを2つのねじを外しずらすだけで対応可能ですし、高さのあるものは、ガイドのアクリル板を重ねれば、対応可能です。
又、ケース以外でも加工材料を固定するのに便利です。
加工台の上のものは、6本のねじを外せば、すべて取り外せ、再セットも簡単に行えます。

Sable−2015をお持ちの方は、コントローラーの不具合がございますので、こちらをチェック下さい。


※このページの情報を元にして生じた損害について当方は一切関知しませんので自己責任でお願いします。 

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